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縁側に吊るした干し柿の連と、籠に積まれた有田みかんの情景
画像はイメージです

縁側に吊るされた柿は、日ごとに色を変えていく。そのすぐそばの籠には、剥けばそのまま口に運べるみかんが積まれている。同じ果実なのに、片方はすぐに食べる顔をしていて、片方は時間をかけて姿を変えていく顔をしている。

ふるさと納税で和歌山の果実を選ぶなら、先に分けておくのはこの時間の違いです。有田みかんは届いた箱から日々食べ進める果実、和歌山の柿は品種によって食べどきが移っていく果実です。柿は、たねなし柿が初秋から出て、晩秋に富有柿、年の瀬に串柿へと続きます。

地図を紀伊水道へたどると、和歌山県の中に果実の土地が二つ見えてきます。有田川の下流に石垣の段々畑が重なる有田と、紀ノ川沿いに丘が続く伊都・紀の川の一帯です。二つの川の土地を順に見ていけば、返礼品名のどこを読めばよいかが分かります。


有田みかんとは:石垣の段々畑と「3つの太陽」

和歌山県はみかんの主産地で、ふつう「みかん」と呼ぶのは温州みかんのことです。県内でも特に有田地域が、有田みかんの産地として知られています。

有田は紀伊水道に面し、一年を通じて温暖な土地です。有田川の下流の両岸や海岸近くの斜面には、石垣を積んだみかんの段々畑が重なります。斜面は日当たりと水はけがよく、石垣には畑を温め、水を逃がし、光を照り返す働きがあります。海沿いの畑では、潮風がみかんの味を良くするともいわれます。

産地がおいしさの秘密に挙げるのが「3つの太陽」です。空から降る陽射し、海や川からの照り返し、そして段々畑の石垣が返す熱。水はけのよい急な斜面で育った有田みかんは、糖と酸と水分の釣り合いがよく、コクのある甘さで、やわらかくジューシーだと産地は説明しています。

皮が薄いのも有田みかんの顔です。ヘタの反対側に親指を入れて半分に割り、さらに割って4つにする「有田むき」という食べ方があり、農家が軍手のまま口に運べることから広まりました。薄い皮は、味と食感がよい証とされています。

有田と下津の地域で石垣を積んだ段々畑のみかん作りは、世界農業遺産に認められています。江戸時代には、日本で初めてのみかんの共同出荷の仕組み「蜜柑方」がこの地域で生まれました。土地に合わせた品種選び、苗木づくり、蔵での貯蔵の技も、この産地が受け継いできたものです。

返礼品を選ぶときは、まず品名に「有田みかん」とあるかを見ます。そのうえで返礼品ページの産地に、有田市・湯浅町・広川町・有田川町など有田地域の市町の名があるかを確かめると、有田のどのあたりのみかんかが分かります。

有田みかんの時期と品種:極早生は10月、早生は11月から

みかんは収穫の時期によって「極早生」「早生」「中生」「晩生」に分かれ、露地ものは初秋から師走にかけて収穫されます。有田みかんでは、極早生が10月から先に出て、11月に入ると早生が始まり、本格的なみかんの季節になります。

極早生の代表が、和歌山県で見つかったゆら早生です。収穫が特に早く、皮に緑が残っていても中の果肉は甘く、さわやかな風味があります。

早生は甘みと酸味の釣り合いがよく、極早生より味が濃いのが持ち味です。代表の田口早生も和歌山県で見つかった品種で、果汁の甘みが多く、酸が早く抜けます。宮川早生や興津早生も早生の仲間です。

師走に入ると、中生のきゅうきが12月上旬から下旬にかけて出ます。甘みが高く酸味が抑えられているので、酸っぱいみかんが苦手な人にも向く品種です。同じ有田・下津の地域に入る下津(海南市)には、12月に収穫したみかんを瓦屋根と土壁の貯蔵庫で寝かせ、年明けから出す「蔵出しみかん」があります。糖と酸の釣り合いがよく、まろやかな味になります。

返礼品名に「極早生」とあれば秋の早い便、「早生」とあれば本格的な季節の便、という見当がつきます。サイズの表記があれば、M・Sサイズは品質が安定していて食味がよいとされています。おいしいみかんの見分け方は、皮の紅の色が濃く、ヘタの切り口が小さく、皮が薄く締まって浮いていないこと。箱を開けたら、その目で実を見てみてください。品名に「完熟」「訳あり」「家庭用」とある品は、届く時期と中身を各返礼品ページの表記で確かめてください。


和歌山の柿:紀ノ川沿いの丘で育つ、たねなし柿・紀の川柿・富有柿

和歌山の柿は、品種によって食べどきが初秋から晩秋、そして年の瀬へと移る果実です。返礼品名の品種名を読めば、いつ届き、どんな食感の柿かが分かります。

産地は、伊都地方を中心とする紀ノ川沿いの丘陵地帯です。主な産地は、かつらぎ町・紀の川市・橋本市・九度山町など。土は水持ちと水はけの釣り合いがよく、気候は比較的温暖で日照時間が長い土地です。北に葛城山、南に紀伊山地が控え、その間に挟まれているため、昼と夜の寒暖差が大きくなります。

和歌山の柿は、多くが渋柿です。渋はアルコールや炭酸ガスで抜き、皮をむいて干し柿にしても同じように抜けます。この渋柿を生で食べられる形にしたのが「和歌山県産たねなし柿」で、中谷早生・刀根早生・平核無という種の無い品種を、収穫後に渋を抜いてから出荷します。果汁が豊富で、適度にやわらかくなめらかな食感と、甘みの強いまったりとした味わいです。

たねなし柿は、早いものから順に出ます。中谷早生が9月上旬から下旬、刀根早生が9月中旬から10月上旬、平核無が10月中旬から11月上旬。刀根早生は、和歌山県でいちばん多く栽培されている品種です。

平核無に一つずつ袋を掛け、木に成らせたまま渋を抜いたのが紀の川柿です。果肉にゴマを振ったような黒い粒々があり、シャキシャキした食感と強い甘みを持ちます。和歌山の紀北地方だけで作られ、出荷は11月上旬から中旬です。

甘柿の富有柿は、九度山町が県内の主な産地です。果汁が多くて甘みが強く、シャキシャキした食感で、日持ちがよい柿です。出荷は11月上旬から12月上旬。九度山では、一つずつ袋を掛けて木の上で完熟させたものも出ます。

返礼品名の品種名で、届く時期と食感が分かれます。 たねなし柿・刀根早生・平核無なら初秋から晩秋のなめらかな柿、紀の川柿や富有柿なら11月からのシャキッとした柿です。おいしい柿の見分け方は、皮にハリがあって色づきがよいこと、ヘタが大きく実との間にすき間がないこと。届いた柿も、その目で見てみてください。

かつらぎ町/九度山町の柿畑と紀ノ川の流れ
画像はイメージです

串柿とあんぽ柿:干して待つ柿

渋柿を生で食べる形に変えるのがたねなし柿なら、干して待つ形に変えるのが串柿とあんぽ柿です。

かつらぎ町の四郷(広口・滝・東谷・平)は、昔から串柿の里です。串柿は、1本の細い竹串に10個の干し柿を刺したもの。11月初旬になると家族総出で柿の皮をむき、家々の軒先や長い柿屋(干場)に吊るします。日当たりと風通しのよい場所で、太陽と風に当てて乾かすうちに渋が抜けていきます。こうして仕上がった串柿は、お正月に鏡餅の上に飾る関西の縁起物で、出荷は12月中旬から下旬です。

あんぽ柿は、渋柿を機械で乾かした、果肉のやわらかい半生の干し柿です。水ようかんのようなやわらかな食感で、表面に白く吹くのは糖分の粉なので、そのまま食べられます。出荷は10月下旬から3月下旬と長く続きます。

正月飾りに使うなら串柿、やわらかい干し柿をおやつに食べたいならあんぽ柿、と使い道で選び分けます。保存のしかたは品によって違うので、返礼品ページに保存方法の欄があれば、届く前に確かめておきます。

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紀州の果実、味わい方の対応

品目産地食べどき迷ったらこう選ぶ
みかん(有田)有田川の下流と海沿いの斜面(有田市・湯浅町・広川町・有田川町など)極早生が10月から、早生が11月から。師走には中生のきゅうき品名の「有田みかん」と「極早生」「早生」「完熟」の表記、M・Sサイズか、訳あり表記の有無を見る
たねなし柿紀ノ川沿いの伊都・紀の川(かつらぎ町・紀の川市・橋本市など)中谷早生・刀根早生が初秋、平核無が晩秋。紀の川柿は11月品種名で届く時期を読む。渋を抜いてから届く
富有柿九度山町11月上旬から12月上旬届いてから置いておきたいなら、日持ちのよい甘柿として
干し柿・串柿・あんぽ柿かつらぎ町四郷ほか串柿は年の瀬、あんぽ柿は秋の終わりから春先まで正月飾りなら串柿、やわらかさならあんぽ柿。保存方法の表記を見る

※受付・発送の時期は各返礼品ページの記載で確認してください。


一揃いの組み方:届いてすぐ食べるか、置いて熟すのを待つか

有田のみかんと紀ノ川沿いの柿が見えたら、あとは時間の使い方で組み方が分かれます。

届いてすぐ食べ進めるなら、みかんを軸にします。 箱で届いたその日から、毎日少しずつ手を伸ばして食べ切る形です。極早生と早生のように時期の違う品を選べば、秋から冬にかけて有田みかんの顔ぶれが移っていくのを順に味わえます。

置いて楽しみたいなら、柿を軸にします。 初秋のたねなし柿から晩秋の富有柿へと品種を変えていけば、柿の季節を長く追えます。さらに時間をかけたいなら、干して仕上げる串柿やあんぽ柿へ。みかんが「今」を食べる果実なら、柿は「これから」を待つ果実です。

食べどきの早見(届く時期と置き方)
有田みかん
極早生は10月から、早生は11月から。届いたら風通しのよい冷暗所で2〜4週間ほど
たねなし柿
中谷早生・刀根早生は初秋、平核無は晩秋。渋を抜いてから届く
富有柿
11月上旬から12月上旬。日持ちがよく、届いてから置いておける

この土地に合わせるなら。 近江の米と紀州の梅で組んだ近畿の膳の締めに、有田のみかんや九度山の富有柿を添えれば、主食から果物まで近畿の中だけで一揃いになります。銘柄牛ですき焼きを囲んだ晩に、食後の柿を一切れ添える取り合わせもできます。紀州の保存食をもう一品足すなら、仕上げ方で選ぶ紀州の梅干しへ進んでください。


届いた有田みかん、どう保存する?

届いた箱は、まず裏側から開け、底の実から状態を見ていきます。傷んだ実やカビが出た実を見つけたら、取り除いてください。

置き場所は、冬なら風通しのよい冷暗所です。冷蔵庫にずっと入れておくと、実が乾いたり甘みが下がったりします。保存できる期間は2〜4週間ほどが目安です。

選ぶときは、2〜4週間ほどで食べきれる量を基準にします。 大きな箱を一度に受け取るより、極早生と早生のように時期の違う品に分けて受け取ると、届くたびに食べ頃の実を手元に置けます。定期便や発送月を選べる品かどうかは、返礼品ページの表記に従ってください。


合う人・合わない人・注意点

届いた果実をその日から食べ進める手軽さと、品種や干し方で味が変わっていく楽しみの両方を味わいたい人に、和歌山の果実は向いています。串柿やあんぽ柿のように「待って完成する」食べものを面白がれるかどうかが、柿を選ぶ分かれ目です。

一方、秋の短い期間にまとめて大量に受け取り、しばらく手元に置いておきたい人には、みかんの大箱は扱いにくい選び方です。冷暗所で2〜4週間ほどという目安を超えて置くことになるなら、量を減らすか、時期を分けて受け取る選び方が合います。柿を長く置きたいなら、日持ちのよい富有柿を選びます。干し柿は品によって保存のしかたが違うので、返礼品ページの保存方法の欄を見てから選びます。


まとめ:果実を、置く楽しみに変える土地

和歌山の果実は、二つの川の土地にまたがっています。有田川の下流や海沿いの斜面で育ち、届いた箱から食べ進める有田みかん。紀ノ川沿いの丘で育ち、品種と干し方で食べどきが移っていく柿。同じ県の果実でも、食べ方の時間はまるで正反対です。

まずは今の季節に近いほうを選んでみてください。すぐに食べたい気分なら極早生や早生の有田みかんを、待つ楽しみを味わいたいならたねなし柿から富有柿、串柿へと続く柿を。どちらを選んでも、和歌山という土地のもう一つの顔に触れられます。

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