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海から遠い信州の盆地は、雨が少なく、冬は深く冷えこみ、夏は海辺の町と変わらないほど暑くなります。この寒さと暑さの振れ幅のなかで、味噌は熟していきます。

ふるさと納税で信州味噌の返礼品を探すと、粒の味噌、こした味噌、中甘口の味噌、3kgの大袋、数種の詰め合わせ、毎月届く定期便と、同じ名の味噌がいくつもの形で並びます。どれを頼むかで、手が止まります。

形を選ぶ手がかりは、届いた味噌を台所でどう使うかです。毎朝の味噌汁にたっぷり使うのか、炊きたてのご飯にのせたり野菜に付けたりして食べるのか、どれだけの速さで使い切るのか。味噌は炊きたてのご飯にのせても、チーズやバターと合わせても食べられます。その前に、この味噌がどんな土地で、どう熟すのかを地図の上でたどります。

山並みに囲まれた乾いた盆地に、瓦屋根の町と白壁の蔵が静かに並ぶ情景
画像はイメージです

信州 — 雨の少ない盆地の夏が、味噌を熟させる

長野県は海岸から遠い内陸にあり、沿岸の土地にくらべて一日の寒暖差も、一年の寒暖差も大きく、空気が乾いています。平地の多くは、山に囲まれた盆地です。

なかでも長野盆地から上田・佐久の盆地にかけては、まわりを山に囲まれて台風や前線の影響を受けにくく、とりわけ雨の少ない地域です。冬は沿岸よりずっと冷えこみ、春は足早に暖かくなり、夏は海辺の土地と同じかそれ以上に暑くなります。そして秋口から、気温はまた急に下がっていきます。

冷暖房の無かった時代、冷涼な信州の蔵は、ほどよい温度と湿り気を保ち、味噌が熟すのにふさわしい場所だったといえる、と長野県のJAは紹介しています。冬の終わりには、家々で大豆を煮てつぶし、味噌玉にして寝かせる味噌づくりが信州の各地で行われていました。寒さと暑さがはっきり分かれる盆地の一年が、味噌を育ててきました。

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信州味噌とは — 米麹で仕込む、淡い山吹色の辛口

信州味噌は、米麹と大豆と塩で仕込む「米味噌」です。色は淡く、味は辛口。光沢のある、冴えた山吹色のものがよいとされています。

酵母と乳酸菌の働きで、さっぱりしたうま味と香りをあわせもつ、と長野県の味噌の組合は説明しています。近ごろは甘めの味噌を好む人が多いため、蔵ごとに少しずつ風味や味を変えているそうです。

「信州味噌」という名前は、長野県味噌工業協同組合連合会に入っている蔵が、長野県内で造った味噌を指します。

ほかの味噌との違いも、色と原料で見分けられます。同じ甲信越の米味噌でも、新潟の越後みそは赤い色の辛口です。愛知の三河では、大豆と塩だけで仕込む豆味噌、八丁味噌が造られます。信州は淡色・辛口の米味噌、三河は豆味噌。豆味噌の話は三河の八丁味噌で紹介しています。

佐久の寺から、東京の台所へ

信州の味噌づくりのはじまりは、鎌倉時代にさかのぼるといわれます。宋で味噌の製法を学んだという覚心が、佐久の安養寺で味噌づくりを広めたと伝えられ、安養寺は「信州味噌発祥の地」として知られています。

戦国時代には、武田信玄が兵糧として味噌を造らせ、信州で味噌づくりが盛んになりました。

信州味噌の名が東京に広まったのは、関東大震災のときです。首都圏の多くの味噌蔵が被災するなか、被害の無かった信州から送った味噌が喜ばれました。戦後も、焼け跡の東京へふたたび長野から味噌が届けられ、評判が高まります。信州の味噌は、困った東京の台所に届いたことで名を広げました。

いまも長野県では条例にもとづいて味噌の品質検査が続けられ、「信州味噌」は団体の商標として登録されています。

上田の蔵は、一年に一度だけ仕込む

この記事で紹介する上田市の返礼品は、市内の味噌蔵、大桂商店の品です。文政四年創業の蔵で、長野県の味噌の組合のサイトにも蔵として載っています。地元で契約栽培した大豆をはじめ、すべての商品に国産の原料を使っている、と蔵は説明しています。大豆は長野県産と北海道産を味噌によって使い分け、米は長野県産です。

この蔵の造りは「天然醸造」です。春に仕込んだ大豆と麹が、夏の暑さで発酵と熟成を進め、季節が落ち着く秋に味噌になります。寝かせる期間は少なくとも半年。今は温度をかけて短い期間で仕上げる「速醸」が主流ですが、蔵は量産せず、加温もせず、一年に一度、春先にだけ仕込みます。

冬に冷え、春に足早に暖まり、夏は海辺並みに暑くなる、さきほどの盆地の一年を思い出してください。天然醸造は、上田の盆地の季節の振れ幅にそのまま味噌を預ける造りです。蔵も、昔から信州の風土に合わせて行われてきた造りだと説明しています。

麹は機械ではなく、麹室で木の麹蓋を使う昔ながらの方法で、すべて手で造ります。

蔵の銘柄「奏龍」は、上田市の武石で契約栽培した大粒の大豆で仕込む味噌です。大豆は長野県で開発された特大粒の品種で、地元の酒と同じ名を付けたのは、どこの誰が育てた原料か分かるように、という考えからだと長野県のJAは紹介しています。

薄暗い蔵の中に木の樽と麹蓋が積まれ、木べらの上に山吹色の味噌がのる情景
画像はイメージです

粒かこしか、毎日の汁か付けて食べるか

上田の蔵の味噌は、粒の残し方と甘さで性格が分かれます。

粒味噌は蔵の定番の中口です。味のキレとほんのりした酸味、香り、甘さと辛さの釣り合いのとれた、じっくり熟成させた昔ながらの信州の田舎みそ、と蔵は説明しています。吟醸仕込みの『誉』は、こしあんのようななめらかさと照りがあり、雑味のないさっぱりした料理向きの味噌、と蔵は説明しています。奏龍は中甘口で、どの料理にも幅広く使えるとされています。

蔵の商品には、そのまま生野菜に付けたり、炊きたてのご飯にのせたり、焼きおにぎりに塗ったりする甘口の味噌もあります。ただ、この甘口の味噌が返礼品に入っているかは品ごとに違うので、詰め合わせなら中身の表記で確かめます。返礼品の中で甘めに寄せるなら、中甘口の奏龍です。味噌汁に使うか、付けて食べるかで、選ぶ甘さが変わります。

使い方で選ぶ信州味噌(上田の蔵の返礼品)
毎日の味噌汁にたっぷり使う
粒味噌の大袋(3kg)
家族で好みを探したい・はじめて頼む
数種の詰め合わせ(700g×3種など。粒・こし・奏龍などの組み合わせ)
一つでどの料理にも回したい・付けて食べたい・甘めに寄せたい
中甘口の奏龍(1kg)
冷蔵庫の場所が限られる・少しずつ使う
700gずつ届く定期便(3・6・12か月)

返礼品の中身・量・回数は、各返礼品ページの表記に従ってください。味の感じ方には個人差があります。

届いたら、冷蔵庫で。色と香りは少しずつ動く

返礼品は冷蔵便で届きます。加熱殺菌をしていない無添加の生味噌で、届いたあと長く置くなら冷蔵庫で保存するよう、返礼品ページに書かれています。冷蔵の品なので、宅配ボックスでは受け取れません。

味噌はもともと保存のきく食べものですが、日が経つにつれて風味や色が少しずつ変わっていきます。

この土地に合わせるなら

一つ目は、魚沼のコシヒカリです。上田の蔵は、甘めの味噌を炊きたてのご飯にのせたり、焼きおにぎりに塗ったりする食べ方を紹介しています。信州の味噌を、同じ北陸・甲信越の米どころのご飯で受けるのが編集部の提案です。お米のことは魚沼のコシヒカリで紹介しています。

二つ目は、十勝のチーズとバターです。長野県の味噌の組合は、信州味噌がチーズやバターのようなほかの発酵食品とも合うとしています。十勝のチーズやバターに、信州の味噌を合わせます。チーズとバターは十勝のチーズとバターで紹介しています。

合う人・合わない人・注意点

合うのは、味噌汁を毎日つくる人、粒の味噌や昔ながらの造りの味噌を探している人です。一つの蔵の中で、粒・こし・中甘口を比べたい人にも向きます。

合わないのは、味噌を使う量が少なく、冷蔵庫に余裕のない人です。その場合、3kgの大袋は向きません。また、ここで紹介した返礼品はすべて上田の一つの蔵の品なので、長野県内のほかの蔵や町の味噌を比べたい人には向きません。

注意点として、中身・量・発送の時期・保存の方法は返礼品ごとに違います。返礼品ページの表記に従ってください。

まとめ:次にやること

信州味噌は、米麹と大豆と塩で仕込む、淡い山吹色の辛口の米味噌です。上田の蔵は、雨の少ない盆地の季節に合わせて春に仕込み、夏の暑さで熟させ、秋に仕上げます。毎日の味噌汁なら粒味噌の大袋、はじめてなら数種の詰め合わせ、一つで何にでも使うなら中甘口の奏龍、冷蔵庫に余裕がなければ少量の定期便です。

申し込む前に返礼品ページで見るのは、粒かこしか甘めか、量が冷蔵庫と使う速さに合うか、の二つです。

今回紹介した商品はこちら

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